遺言は、遺言者の意思で取り消しや修正ができます。

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遺言の取消し

父は生前ある女性と親しくしていた時期があるそうです。
ある日、その女性がやってきて遺言の執行を求めてきました。
遺言の内容は「○○不動産を××に譲る」というものです。
女性の存在は家族も知っていましたが、父は相当の金銭を与えて手を切ったと聞かされていました。
私達はこの求めに応じなければならないのでしょうか?

 

お父様が遺贈をやめるつもりで金銭を贈与したのであれば遺言は無効です。

 

遺言は本人の最後の意思を実現するための制度ですので、遺言者が遺言をやめることや遺言を変更することは、本人の意思に委ねられるべきです。

 

ですので遺言は、いつでも、特別な理由なく、取り消すことができます。

 

遺言を取り消す方法、または取り消したとみなされる場合ですが、民法上以下の3つが定められています。

 

①民法1022条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
「遺言の方式に従って」とは、遺言の撤回は遺言で行ってください、ということです。つまり遺言書の形式については同じである必要はないため、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することも可能です。
ただしこれは、後の遺言書が有効でなければなりません。

 

②民法1023条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
抵触とは、矛盾しているという意味に近いと思います。
はじめの遺言で配偶者に全財産を譲るとしておきながら、後の遺言で子に全財産を譲る、としているような場合です。
この場合はじめの遺言は撤回されたとみなされ、後の遺言の方が優先されます。

 

③民法1024条 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。
「故意に」とありますので過失の場合は含まれませんが、自筆証書遺言などは紛失してしまうと意味がなくなってしまいますので、もう一度作成するのが望ましいでしょう。

 

本問のケースですが、遺贈に代えて金銭を贈与するつもりだったと解釈するのが自然の様な気がします。

 

すなわち、はじめの遺言と後の遺言が抵触する②に該当する可能性が高いと言えます。

 

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ご自分に似た状況もあると思われますので、是非参考にしてみて下さい。