遺言書の偽造や修正は、相続の資格を失います。

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遺言書の偽造

父の遺言書について家庭裁判所の検認を受けました。
しかしこの遺言書は、父の死後、母と姉が相談して父の印を押したものであることがわかりました。遺言は有効でしょうか?
また、母と姉の相続分はどうなりますか?

 

遺言は無効です。

 

相続分が剥奪されるかどうかは手を加えた理由により異なります。

 

他人の遺言書を偽造したり手を加えたりすると相続人となる資格を失うばかりでなく、刑罰の対象ともなります。
※刑法159条 私文書偽造等の罪

 

民法は「相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造したり、破棄・隠匿した者。」は相続人となることができない、としています。
偽造された遺言書はもちろん無効ですし、真正な遺言書に他人が書き加えた場合は、その書き込んだ部分について無効となります。

 

素直に解釈すると、設問の母と姉は遺言書を「変造」しているわけですから、相続権は奪われるということにもなりそうです。

 

この点を判例はこのように述べています。

 

相続人が遺言者たる被相続人の意思を実現させるためにその法形式を整える趣旨で右の行為(方式を具備させる行為)をしたにすぎないときには、
右相続人は同号(民法891条5号)所定の相続欠格者にはあたらない。
[最判昭和56・4・3]

 

つまり「自分の相続分を多くしてやろう」ではなく、単に「よかれと思ってやった。」場合は相続権を奪われない余地があるということです。

 

日付が抜けていたり、印を欠いている場合についつい書き加えてしまった時などですね。

 

ご質問の場合ですと、印を押した理由が死んだ被相続人の意思を実現させるためのものであるのか、それとも自分のためであったのかで大きく異なるでしょう。

 

前者の理由から手を加えたのであれば、相続欠格者にはあたらない可能性があります。

 

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ご自分に似た状況もあると思われますので、是非参考にしてみて下さい。